広瀬アリスの昔を追う!モデル期の苦悩から国民的女優への逆転劇
広瀬 アリス 昔の面影を記憶している視聴者は、現在の彼女の圧倒的な画面占有率を見て何を思うだろうか。今や映画やプライム帯の主演に名を連ね、シリアスからコメディまで縦横無尽に演じ分ける実力派へと成長した広瀬アリス。しかし、その足跡を辿れば、華やかなスポットライトの裏で長く冷たい風に耐え続けた時間が確かに存在していた。
誰もが息をのむ美貌を持ちながら、気取らない人柄で親しまれる彼女のキャリアにおいて、広瀬 アリス 昔の下積み時代に味わった葛藤こそが、現在の血の通った芝居を生み出す最大の糧となっている。順風満帆に見える経歴の背後に隠された、知られざる変遷を現場の足跡とともに紐解いていく。
バスケット少女からスカウトへ:男の子と間違えられた芸能界入りの原点
広瀬アリスの物語は、きらびやかなステージではなく、静岡の片隅にある地元祭りの雑踏から始まった。当時の彼女は日焼けした肌にベリーショートという、まさに生粋のバスケットボール少女。スカウトマンが思わず「少年」と見間違えて声をかけたという逸話は、ファンの間でも語り草になっている。
所属事務所であるフォスタープラスに導かれ、本人の意思とは裏腹に足を踏み入れた芸能界。当時はプロのバスケットボール選手になる夢を抱いていた少女にとって、カメラの前に立つ日常は困惑の連続だった。望んで選んだ道ではなかったからこそ、初期のキャリアには特有の迷いと戸惑いが滲んでいた。
『Seventeen』専属モデル時代の秘蔵エピソードとブレイク前の意外な下積み期
2009年、集英社が主催する「ミス・セブンティーン」に選出され、雑誌『Seventeen』の専属ファッションモデルとして華々しく誌面デビューを飾る。しかし、この華麗な肩書とは裏腹に、彼女の内面は激しい劣等感に苛まれていた。
周囲のモデルたちが持ち前のセンスでポージングを次々と決めていく中、体育会系気質の彼女は「可愛い笑顔」や「ガーリーな立ち居振る舞い」をどうしても自然に表現できなかった。撮影現場で自分だけが浮いているような疎外感、カメラマンの意図を汲み取れない焦燥感。何度も事務所を辞めたいと涙をこぼした夜があったという。このブレイク前の長い模索期、周囲の期待と自己認識のギャップに悩み抜いた経験が、後にあらゆる役柄の痛みに寄り添う演技の厚みへと転化していくことになる。
『35歳の高校生』で見せた鋭利な存在感と日本のテレビドラマでの試行錯誤
モデル業と並行して徐々に本格化させたのが、日本のテレビドラマへの出演だった。その中で転機の一つとなったのが、2013年放送の学園ドラマ『35歳の高校生』だ。彼女が演じたのは、スクールカーストの狭間で周囲に牙を剥く女子高生・泉萌香役だった。
それまでの「爽やかなモデル」というパブリックイメージをかなぐり捨て、教室内の歪んだ人間関係や悪意をリアルに体現した。ただ愛嬌を振りまくだけではない、人間の醜さや脆さを表現する喜びを知った瞬間だったと言える。同世代の若手俳優たちが火花を散らす撮影現場で、彼女は「演じること」に対する覚悟を静かに固めていった。
妹・広瀬すずの快進撃と「比較される重圧」を乗り越えた朝ドラ『わろてんか』
広瀬アリスを語る上で避けて通れないのが、実の妹である広瀬すずの存在である。妹が映画の主演を次々と射止め、瞬く間に社会現象となる一方で、姉であるアリスには常に「広瀬すずの姉」というラベリングがつきまとった。家族としての深い愛情を持ちながらも、表現者として比較の目に晒されるストレスは想像に難くない。
その分厚い壁を自力で打ち破ったのが、2017年放送のNHK連続テレビ小説『わろてんか』だった。彼女が演じた女性漫才師・秦野リリコは、プライドが高く不器用でありながら、誰よりも笑いに情熱を注ぐ難役。変顔も辞さず、関西弁の激しい掛け合いをこなす彼女の姿に、視聴者は「妹の姉」ではなく「俳優・広瀬アリス」の唯一無二の輝きを見た。コメディという領域に全身全霊で飛び込んだことで、彼女のキャリアは決定的な転換点を迎えた。
Netflix世界配信からプライム帯主演へ:コメディエンヌとして確立した現在地
かつての苦悩を自らの武器へと昇華させた彼女の勢いは、もはや国内のテレビ枠にとどまらない。地上波のシリアスなサスペンスから恋愛群像劇、さらにはNetflixをはじめとするグローバル配信作品に至るまで、確固たる存在感を示している。
彼女の最大の強みは、どれほど重厚な世界観であっても、画面に生々しい体温とユーモアを吹き込める点にある。モデル時代の「自分を可愛く見せることへの違和感」を脱ぎ捨て、泥にまみれることを恐れない姿勢が、老若男女を惹きつける説得力を生んでいるのだ。
過去の葛藤を笑顔に変えて:表現者としての進化は続く
少年と見紛うばかりの少女がスカウトされてから歳月が流れた。自分らしさを見失いかけたモデル時代、妹との比較に苦しんだ下積み期。そのすべてを糧にして、広瀬アリスは自身の足で強固な居場所を切り拓いてきた。
昔の彼女が流した涙は、いま画面の向こうにいる誰かを救う温かな笑顔と、胸を打つ真に迫った芝居へと変わっている。傷だらけになりながらも歩みを止めなかった表現者の進化は、これからも私たちを驚かせ、魅了し続けるはずだ。 (出典: 広瀬 アリス 昔(Yahoo!ニュース))