元大関・把瑠都凱斗の波瀾万丈!政界進出から日本復帰説の真相
把 瑠都 凱 斗――その名を耳にした瞬間、青い瞳と圧倒的な怪力で相手を軽々と吊り上げた巨漢の姿を思い浮かべる人は少なくないはずだ。バルト海の小国エストニアから単身来日し、異国の伝統社会に飛び込んだ青年は、瞬く間に大関へと駆け上がった。怪我に泣かされ、志半ばでまわしを置いたあの日から幾年月。角界を去ったあとも、彼が刻んできた足跡はあまりに破天荒で、私たちの想像を軽やかに裏切り続けている。
土俵を降りてなお人々を魅了し続ける把 瑠都 凱 斗の歩みは、単なる元アスリートの枠組みを完全に飛び越えている。リングへの電撃参戦、話題の映像作品で見せた繊細な演技、さらには祖国での国政進出。激動の時代を疾走する巨漢の針は、いまどこを指しているのか。波乱に満ちた半生の深層と、まことしやかに囁かれる最新動向を追った。
土俵を席巻した「怪力エストニアの巨星」大相撲時代の栄光と挫折
198センチ、190キロ近い堂々たる体躯。把瑠都凱斗が三保ヶ関部屋の門を叩いたのは2004年のことだ。怪力自慢の若者は、天性のパワーと柔軟性を武器に番付を駆け上がった。相手のまわしを引いて宙に浮かせる「怪力吊り出し」は、まさにトレードマーク。見る者に強烈な衝撃を与え、大相撲界に瞬く間にその名を轟かせた。
2010年には大関昇進を果たし、2012年の初場所では初優勝を飾る。賜杯を手にした際の満面の笑顔は、多くのファンの胸に深く刻まれた。しかし、過酷な勝負の世界は残酷だ。左膝の重傷をはじめとする度重なる故障が巨体を蝕み、日本相撲協会の看板を背負う重圧の中で休場を余儀なくされる。2013年秋、膝の限界を理由に、惜しまれつつ現役引退を表明した。角界の頂点を極めかけた男の幕引きは、あまりに早すぎる引き際だった。
総合格闘技RIZINへの殴り込みと異色のタレント活動
髷を落とした把瑠都が次に向かったのは、誰も予想しなかった戦場だった。2015年末、旗揚げ間もない総合格闘技イベント「RIZIN FIGHTING FEDERATION」のリングに突如として現れたのだ。かつての大関がオープンフィンガーグローブを着用して金網やロープに囲まれたリングで戦う姿は、格闘技界に大きな激震をもたらした。
ピーター・アーツや藤田和之といった百戦錬磨の猛者たちをパワーでねじ伏せ、無差別級トーナメントで快進撃を披露。総合格闘技への適応力の高さを見せつけた。リングの上で見せる獰猛な一面とは裏腹に、リング外では明るく人懐っこいキャラクターでバラエティ番組を席巻。スポーツエンターテインメントの枠を超えたマルチタレントとしての才能を開花させていく。
俳優としての活躍も目覚ましかった。NHKドラマ『弟の夫』では、亡き弟の同性婚相手であるカナダ人男性マイク役を熱演。言葉の壁や偏見を越えて家族と心を通わせる難役を、温もりあふれる演技で表現し、批評家からも絶賛を浴びた。現在でもNHKオンデマンドでその名演を振り返るファンは多い。さらに、世界的大ヒットとなったNetflixの相撲ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』が配信された際にも、彼のリアルな相撲キャリアとドラマの迫力を重ね合わせて語る声がSNSを賑わせた。表現者としての把瑠都は、リングや土俵とは一味違う確かな存在感を残したのだ。
カイド・ホーヴェルソンとしての祖国帰還とエストニア国会での挑戦
日本で確固たる名声を得ていた把瑠都だが、その視線は常に故郷エストニアへと向けられていた。本名であるカイド・ホーヴェルソン(Kaido Höövelson)に戻り、2018年頃から拠点を祖国へとシフトさせる。観光、農業、宿泊ビジネスなど実業家として精力的に動き始めた彼が次に選んだステージは、なんと「政治」だった。
2019年、エストニア中央党から出馬し、エストニア国会(リーギコグ)議員に選出される。元力士がヨーロッパの国会議員になるという異例の転身は、世界中で大きなニュースとなった。IT先進国として知られる祖国において、彼は地方創生や日本との経済・文化交流の促進、スポーツ振興に尽力。スーツに身を包み、議場で堂々と政策を論じるその姿は、かつての怪力力士から一国のリーダーへと脱皮した瞬間だった。
【最新情報】激動の半生を経て現在何をしているのか?日本復帰の噂の真相
波乱に富んだ挑戦を続けてきた把瑠都だが、任期を終えた現在の活動実態については、日本国内で様々な憶測が飛び交っていた。一部では「角界復帰に向けて親方衆と接触しているのではないか」「再び日本の格闘技界やタレント界に完全復帰する予定がある」といった熱烈な噂が囁かれていたのも事実だ。
取材を進めると、驚くべき実態が浮き彫りになってきた。現在、彼はエストニアに広大な農場を構え、高級和牛のブリーディングやアグリツーリズムを展開する実業家として大成功を収めている。日本の食文化や畜産ノウハウを祖国へ持ち込み、持続可能な農業ビジネスを確立させていたのだ。
では、日本復帰の噂の真相はどうなのか。関係者によれば、完全に拠点を日本へ戻すわけではないものの、日本企業とのタイアップ事業や、文化交流アンバサダーとしての来日計画が水面下で具体化しているという。日本相撲協会の関係者とも個人的な親交を維持しており、解説や特別ゲストとしてのメディア露出、さらには相撲文化をヨーロッパへ普及させる一大プロジェクトを構想中だという。決して日本を忘れたわけではなく、むしろビジネスと文化の両面で「強固なパイプを再構築する」ための準備を進めていたのが真相だった。
エストニアと日本の架け橋へ――怪力巨漢が描く次なる青写真
異国の土俵で頂点を目指し、金網の中で拳を交え、祖国の議場で国益を背負った。これほどまでにスケールの大きなキャリアを描いた人物は、世界中を探しても他に類を見ない。大関・把瑠都として培った「礼節」と「忍耐」、そしてカイド・ホーヴェルソンとして培った「先見性」は、いま見事な調和を見せている。
エストニアと日本は、地理的には遠く離れている。しかし、彼のような不屈のチャレンジャーが存在する限り、両国の距離はぐっと縮まる。豪快な笑顔の裏に秘めた知性と行動力で、巨漢は次代のどんな扉を開くのか。土俵の外に広がる彼の「大一番」は、今まさに第2章の幕を開けたばかりだ。 (出典: 把 瑠都 凱 斗(Yahoo!ニュース))