ヤクルト二軍球場が守谷へ移転!戸田撤退の真相と新拠点の全貌
東京ヤクルトスワローズのファーム本拠地が、半世紀近くにわたり親しまれてきた埼玉県戸田市から茨城県守谷市へと拠点を移す歴史的プロジェクトが進んでいます。荒川河川敷に位置する現在の戸田球場は、選手とファンの距離の近さで独特の情緒を誇ってきた一方、近年の気候変動による大規模な水害や設備の老朽化という構造的限界に直面し続けてきました。
球団と守谷市が正式合意を結び、現地では新ファーム施設「Swallows Wings Square(スワローズ ウィングス スクエア)」の建設工事が本格化しています。伝統ある「戸田」からの撤退を決断せざるを得なかった本当の理由は何なのか、そして守谷の地に生まれる新球場はプロ野球界の育成地図をどう塗り替えるのか。2026年最新の現地進捗データや関係者の証言を交え、その全貌を徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ヤクルト二軍施設は荒川河川敷の「戸田」から茨城県守谷市の総合公園隣接地へ全面移転し、2027年3月の開業を予定。
- 要点2:最大の移転理由は相次ぐ荒川の氾濫・水害リスクと設備拡充の限界であり、12球団トップクラスの育成環境構築が急務だった。
- 要点3:新施設「Swallows Wings Square」は翼を模したメイン球場、内野グラウンド2面、屋内練習場、選手寮を完備した一大ボールパークとなる。
【移転の決定打】なぜ戸田を離れるのか?水害被害の歴史とファーム近代化の必然性
東京ヤクルトスワローズが戸田市内に二軍本拠地を置いたのは1977年のことでした。かつて神奈川県横須賀市にあった武山グラウンドを京浜急行電鉄へ返還したことを機に、ヤクルト本社が社員福利厚生用として借用していた荒川河川敷の敷地を練習場および本拠地へと転用したのが、ヤクルト戸田球場の始まりです。
昭和から平成、そして令和へと至る約50年間、宮本慎也氏、青木宣親選手、山田哲人選手、村上宗隆選手といった歴代のスター選手たちがこの河川敷で泥にまみれ、神宮球場へと羽ばたいていきました。しかし、その舞台裏では常に「水害との果てしない戦い」が繰り広げられていました。
河川法に基づく遊水地(河川敷)に位置している構造上、台風や豪雨のたびに球場は水没の危険に晒されてきました。記憶に新しい2019年の台風19号では、バックスクリーンや防球ネットの高さ近くまで濁流に飲み込まれ、グラウンド一面にヘドロが堆積。球場復旧には数カ月を要し、選手やスタッフ、球団職員が総出で泥かき作業に追われる事態となりました。地球温暖化に伴う線状降水帯の頻発やゲリラ豪雨の激甚化は、プロアスリートの安全と練習環境を担保する限界を完全に超えていたのです。
さらに、法的な建築規制も重い足かせとなっていました。河川敷であるため恒久的な大型建築物の新設が著しく制限され、クラブハウスやトレーニングルーム、選手寮の機能拡張は困難を極めました。選手寮「戸田寮」は球場から離れた市街地に位置しており、選手は練習着のまま自転車やマイクロバスで移動せざるを得ない日常が常態化していました。
昨今のプロ野球界では、北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド周辺開発や読売ジャイアンツの「TOKYO GIANTS TOWN」構想など、ファームの育成環境を大幅に近代化・集約する動きが加速しています。データ測定器(トラックマンやホークアイ)を常設した冷暖房完備の大型屋内練習場、最新鋭のウェイトルーム、栄養管理が徹底された食堂が一体化した拠点は、現代のチーム強化において必須条件です。ヤクルトにとって戸田からの移転は、単なる拠点の引っ越しではなく、「チームの持続的な競争力を守るための死活問題」だったと言えます。
新拠点「Swallows Wings Square」の全貌|茨城県守谷市に誕生する最新育成環境
新たな育成拠点として選ばれたのは、茨城県守谷市野木崎の「守谷市総合公園」に隣接する約9ヘクタールの広大な敷地です。球団と守谷市は協議を重ね、令和6年(2024年)10月17日には現地で竹中土木などが参列する安全祈願祭が執り行われ、造成工事が本格着工しました。
公募等を経て決定した新施設の名称は「Swallows Wings Square(スワローズ ウィングス スクエア)」。その中心となるメイン球場は、「未来へ羽ばたく燕の翼」をイメージした優美な大屋根がシンボルとして設計されています。神宮球場での飛躍を誓う若燕たちが日夜鍛錬を重ねる場所にふさわしい、先進的な意匠が施されます。
新施設の機能と設計思想には、プロ野球の現場目線とファンエンゲージメントを高める工夫が凝縮されています。
- 実戦と反復を両立する練習効率:メイン球場に加え、2面の内野グラウンドを独立配置。守備練習や個別ノックを同時並行で進められるため、拘束時間を適正化しながら密度濃い練習量を確保できます。
- 基礎体力を強化する専用坂路:起伏の少なかった戸田の弱点を克服すべく、専用の「トレーニング用坂路」を敷地内に新設。下半身強化や心肺機能の追い込みを科学的にサポートします。
- 全面メッシュフェンスによる臨場感:サブグラウンドや周囲には全面メッシュフェンスを採用。従来の閉鎖的な練習場とは一線を画し、ファンの視線を意識しながら適度な緊張感の中で練習に打ち込める空間を演出します。
- 一体型コンプレックスの構築:最新の屋内練習場、選手寮、クラブハウス、メディカル・リハビリセンターを同一敷地内に完全集約。雨天時の練習はもちろん、トレーニング後即座に治療や栄養補給に移れる導線が完成します。
- 地域共生と多目的利用:野球専用の枠組みにとどまらず、地域住民が集うイベントや市民スポーツの舞台としても活用可能なオープンスペースが確保されています。
公式発表の工程表によると、大規模な基盤造成工事から本球場・諸施設の建築工事へと順調にバトンが渡されており、2027年3月のグランドオープン(2027年シーズンからの供用開始)に向けて計画は着実に進展しています。
【徹底比較】戸田球場と守谷新球場のスペック・環境データ
新旧ファーム施設の違いを客観的に把握するため、立地条件、設備スペック、環境面の数値を一覧表で比較しました。
| 項目 | ヤクルト戸田球場(現行施設) | 守谷新球場(Swallows Wings Square) | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 所在地 | 埼玉県戸田市美女木(荒川河川敷) | 茨城県守谷市野木崎(守谷市総合公園隣接) | 河川敷から内陸の内規適正地へ移り、永続的な施設運用が可能に。 |
| 水害リスク | 極めて高い(過去に度重なる水没・泥流被害) | 極めて低い(台地・総合公園隣接の内陸部) | 移転最大の要因。天候急変による長期活動停止リスクが解消。 |
| 敷地面積・構成 | 単面グラウンド+小規模サブ用地 | 約9ヘクタール(本球場+内野2面+坂路) | 他球団の最新ボールパークに匹敵する広大な敷地を確保。 |
| 関連施設との動線 | 選手寮・室内練習場が市街地に点在・別離 | 球場・屋内練習場・選手寮を同一エリアに集約 | 練習・食事・休養のサイクルがシームレスになり育成効率が劇的改善。 |
| 観戦設備・環境 | 小規模スタンド(土手立ち見が名物、屋根なし) | 大屋根付きメイン球場、メッシュフェンス | 熱中症対策や降雨時の快適性が向上し、興行面でも大幅な進化。 |
| 都心・神宮へのアクセス | 埼京線「武蔵浦和」等からバス+徒歩 | つくばエクスプレス「守谷駅」からアクセス | 秋葉原からTX快速で約32分。常磐道・谷和原ICも近く車動線は良好。 |

【実態検証】戸田球場の現在とファンの生の声|「距離の近さ」と「老朽化」の狭間で
戸田球場には、近代的なスタジアムにはない昭和・平成のプロ野球の原風景が息づいていました。土手の斜面に腰掛け、缶コーヒーを片手にイースタン・リーグ公式戦を眺める空気感。打球音や選手同士の掛け声、ベンチから飛ぶ叱咤激励が手に取るように聞こえる距離感は、戸田ならではの魅力でした。
現在の戸田球場の利用実態を振り返ると、近年はファンの急増と安全面への配慮から、かつてのような「土手での完全自由な観戦」には段階的な制限が敷かれてきました。イースタン・リーグ公式戦のチケット購入方法は、球団公式チケット販売サイト「スワチケ」を通じた事前WEB予約が主流となり、指定席化が進みました。当日券の販売枠も限られており、「思い立ったらふらっと土手で見られる」というかつての風情は徐々に形を変えていたのが実情です。
アクセスの面でも、JR埼京線「武蔵浦和駅」から国際興業バスを利用し「美女木」バス停等で下車後、荒川の土手を登り降りして徒歩10分以上を要するなど、決して利便性が高いとは言えませんでした。真夏の炎天下における日陰の少なさや、プレハブ主体のトイレ設備など、来場者側にとっても過酷な観戦環境であったことは否めません。
SNSやファンのコミュニティでは、移転に対して複雑な感情が交錯しています。
「土手から若手の泥だらけのユニフォームを見守る時間が好きだった。移転は寂しいけれど、あの冠水被害で練習が止まる姿を何度も見てきたから、まともな施設に移れるのは選手にとって本当に良かった」
「神宮の一軍と戸田の二軍を行き来していたファンにとっては、守谷への移転で少し距離を感じる。でも、屋根付きの球場や近代的な環境ができるなら、若い選手たちの怪我予防や育成スピードのために大賛成」
惜別と安堵――。現場の声を総括すると、情緒的なノスタルジーを抱きつつも、プロフェッショナルな競技環境としては「移転やむなし、むしろ遅すぎた英断」という受け止め方が圧倒的多数を占めています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「なぜ守谷なのか?」選定の裏舞台
移転計画が報じられた当初、ネット上やファンの間では「なぜ埼玉県内や東京都内ではなく、茨城県守谷市なのか?」という疑問が少なからず噴出しました。「一軍本拠地である神宮球場(新宿区)から離れすぎて、一軍と二軍の緊急招集・入れ替えに支障が出るのではないか」という懸念も散見されました。
しかし、取材データと都市インフラの実態を照らし合わせると、守谷市という選定は「極めて計算し尽くされた戦略的着地点」であることが浮かび上がってきます。
第一の理由は、「約9ヘクタールに及ぶ広大な事業用地の確保」です。一軍と直結する首都圏近郊で、本球場、サブグラウンド2面、室内練習場、選手寮、駐車場を一括で整備できる平坦なまとまった土地は、東京23区内や埼玉南部の既成市街地にはもはや存在しません。無理に取得しようとすれば用地買収費だけで天文学的な予算が必要となり、グラウンド規模の妥協を強いられることになります。
第二の理由は、「つくばエクスプレス(TX)と高速道路網がもたらす抜群のアクセス性」です。守谷駅はTX快速の停車駅であり、都心の秋葉原駅からわずか約32分で結ばれています。さらに道路網に目を向ければ、常磐自動車道「谷和原IC」が至近に位置しています。首都高速を経由すれば、守谷から神宮球場までは車で1時間圏内。これは、首都高速の混雑に巻き込まれやすかった従来の戸田からの所要時間と比較しても、実質的な移動リスクに大差はありません。
第三の決定打となったのが、「守谷市側の強力な自治体バックアップと都市計画」です。守谷市は「緑豊かで活力ある住みよいまち」を掲げ、総合公園周辺の賑わい創出とスポーツ振興を重点施策に据えていました。球団誘致によって子育て世代の定住促進やシビックプライド(市民の誇り)の向上を図りたい市側と、近代的な複合育成拠点を求めていた球団側の利害が完全に一致したのです。単なる土地の賃貸借にとどまらず、行政と一体となった「ボールパーク型まちづくり」が実現できたことこそが、守谷選定の最大の勝因でした。

【プロの結論】プロ野球ファームビジネスの転換点とファンが備えるべきこと
今回のヤクルト二軍本拠地移転は、日本プロ野球界全体が迎えている「ファームの概念変化」を象徴する出来事です。昭和から平成中盤までの二軍施設は、ファンから遮断された場所で黙々と汗を流す「修練の場(虎の穴)」に過ぎませんでした。しかし令和の現在、二軍拠点はチームの資産価値を高め、地域創生の中核を担う「オープンイノベーション型の育成拠点」へとパラダイムシフトを遂げています。
「Swallows Wings Square」の誕生は、ヤクルト球団の選手補強・ドラフト戦略にも絶大な好影響をもたらすはずです。高校生や大学生の有力候補、あるいはその保護者や指導者にとって、「最新の科学的トレーニング機器と快適な選手寮が整っている球団」と「水没の恐れがあり設備が点在する球団」とでは、プロ入り後の成長曲線のイメージに雲泥の差が生じるからです。
【観戦派ファン必見】新拠点開業に向けて向き・不向きの判断基準
2027年3月の本格稼働を見据え、二軍観戦を楽しむファンが意識しておくべきポイントを整理しました。
- 守谷新施設に向いているファン:
- 最新鋭のスタジアム設備や屋根付きの快適な環境で、腰を据えて若手の成長を追いたい人
- つくばエクスプレス沿線や常磐道沿線に居住しており、休日に家族連れでボールパーク型のレジャーを楽しみたい人
- サインや選手との触れ合いだけでなく、本格的な打撃・守備練習を機能的なスタンドからじっくり観察したい人
- 事前の心構えや工夫が必要なファン:
- 「土手からのんびり無料で眺める」「アットホームな昭和の河川敷情緒」を最優先したい人(戸田特有のラフな観戦スタイルは完全に過去のものとなります)
- JR埼京線沿線のみを生活圏としており、茨城方面への移動に不慣れな都内・埼玉在住ファン(守谷駅からのシャトルバス等、新アクセスルートの事前確認が必須)
戸田球場が刻んできた50年の歴史と泥臭いスピリットは尊い遺産です。しかし、球団が次代の黄金期を築くためには、過去のノスタルジーを乗り越えて新たな一歩を踏み出す必要があります。新天地・守谷の空の下、最新の設備から未来の燕たちが大空へと羽ばたく姿を見届けることこそが、これからのスワローズファンに託された新しい楽しみとなるはずです。
【ヤクルト 二 軍 球場】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:守谷の新二軍球場はいつオープン(供用開始)しますか?
A1:公式発表および守谷市の整備計画によると、2027年(令和9年)3月の開業を予定しています。2024年10月の安全祈願祭を経て基盤造成工事が着工しており、2027年シーズンのイースタン・リーグ開幕からの供用開始を目指して工事が進められています。
Q2:なぜ長年親しまれた荒川河川敷の戸田球場から移転するのですか?
A2:最大の決定打は、度重なる荒川の氾濫による「水没・浸水被害の激甚化」です。河川敷であるため建築制限が厳しく、老朽化した設備の建て替えや敷地拡張が不可能でした。選手寮や室内練習場が市街地に点在する問題も深刻であり、12球団トップクラスの育成環境を整えるために内陸部への完全移転が決断されました。
Q3:移転後、現在の戸田球場はどうなりますか?また現在の戸田でのチケット購入方法は?
A3:戸田球場の敷地は元々ヤクルト本社が福利厚生等で借用・管理しているエリアを含んでおり、二軍機能が守谷へ完全移転した後の具体的な活用方針(アマチュアへの開放や地域利用など)は今後詳細が詰められます。なお、現行の戸田球場で開催されるイースタン・リーグ公式戦は、球団公式チケット販売サイト「スワチケ」等での事前販売が基本となっています。席数が限られているため、観戦時は事前のスケジュール確認とWEB予約を推奨します。
Q4:茨城県守谷市の新球場(Swallows Wings Square)へのアクセスはどうなりますか?
A4:鉄道利用の場合、最寄り駅はつくばエクスプレス(TX)および関東鉄道常総線の「守谷駅」となります。秋葉原駅からTX快速で約32分と都心からの到達性は良好です。守谷駅から新球場(守谷市総合公園隣接地)まではバスやタクシー等でのアクセスが想定されています。車の場合は常磐自動車道「谷和原IC」から至近のルートとなります。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
ヤクルト二軍施設の戸田から守谷への移転は、単なる拠点の変更にとどまらず、球団の育成哲学とファームビジネスを現代化するための抜本的な構造改革です。荒川の水害と戦い続けた半世紀の歴史に幕を下ろし、2027年3月に誕生する「Swallows Wings Square」は、選手たちに安全で最高峰の鍛錬の場を、ファンには快適で感動的な観戦体験を提供することになります。
2026年は、歴史ある戸田球場でのプレーを目に焼き付けることができる実質的なラストスパートの期間でもあります。長年親しんだ河川敷のグラウンドへ惜別の想いを馳せつつ、最新鋭のボールパークとして茨城県守谷市に誕生する新たな聖地の完成を楽しみに待ちましょう。 (出典: ヤクルト 二 軍 球場(Yahoo!ニュース))