川谷絵音の出身大学と学部を解剖!化学研究から鬼才が生まれた理由
川谷 絵 音 大学というフレーズをめぐる関心は、いまなお音楽ファンの間で尽きることがない。ゲスの極み乙女やindigo la End、さらにはジェニーハイのプロデュースに至るまで、日本の音楽シーンの最前線で膨大な楽曲を生み出し続ける川谷絵音。白衣を羽織り、フラスコや試薬と向き合っていた理系キャンパスでの歳月は、彼の特異なメロディセンスを語る上で欠かせないバックボーンだ。
緻密に組み上げられたコード進行と、意表を突く変拍子。リスナーを翻弄するソングライティングの原点を辿ると、川谷 絵 音 大学在学時の濃密な実験生活と、音楽への強烈な執着が交差したリアルなドラマに行き着く。
東京農工大学工学部応用分子化学科でのリアルな研究生活と大学院中退の真相
川谷絵音が進学した先は、国立の東京農工大学工学部応用分子化学科。生半可な気持ちでは進級すら危うい、硬派な理系学部として知られる場所だ。朝から夕方まで実験室に詰め、有機化合物の合成や分子構造の解析に追われる日々。ノートに数式と化学構造式を書き殴りながら、頭の片隅では常にギターのリフと歌詞の断片が鳴り響いていたという。
学部を卒業した彼は、研究を深めるべく東京農工大学大学院へと進学する。だが、研究者としてのキャリアとバンド活動の天秤は、次第に傾いていった。研究室に泊まり込みでデータを集める過酷なスケジュールの合間を縫い、深夜のスタジオでデモテープを録音する生活。やがて「音楽で生きていく」という覚悟が研究への義務感を完全に凌駕し、周囲の引き止めを振り切って大学院を中退する道を選んだ。退路を断ったその決断が、稀代のヒットメーカーを生む決定打となった。
軽音部での運命的出会い——休日課長とのセッションが生んだバンドの原型
大学時代の最大の収穫は、学業だけにとどまらなかった。学内の軽音楽サークルで出会ったのが、のちにゲスの極み乙女のベーシストとして名を馳せる休日課長(当時の先輩・和田理生)である。
当時のサークル棟は、プログレッシブ・ロックからポストロックまで、ありとあらゆる音源が飛び交う実験場だった。卓越したベーステクニックを持つ先輩と、異様なスピードでオリジナル曲を量産する後輩。二人がセッションを重ねるなかで育まれたアンサンブルの呼吸は、indigo la Endの結成、そしてゲスの極み乙女の爆発的なグルーヴへと直結していく。小金井キャンパスの片隅で鳴らされていた音が、そのまま現在のバンドサウンドの骨格となった。
理系ロジックが織りなすオルタナティヴ・ロックとJ-POPの革新構造
川谷絵音の楽曲が持つ中毒性は、オルタナティヴ・ロックの鋭角なエッジと、大衆を惹きつけるJ-POPのフックが見事に同居している点にある。この構築美の根底には、大学で叩き込まれた論理的思考と分析能力が息づいている。
感情論だけに頼らない作曲アプローチ。どの音をぶつければコードに緊張感が生まれるか、リスナーの耳を飽きさせないためにどの拍で転調を仕掛けるか。まるで分子構造を組み替えるかのように音を配置していくトラックメイクは、日本の音楽業界でも極めて異質な輝きを放つ。理系脳が生み出す精度の高いギミックが、聴く者の感情をダイレクトに揺さぶる仕組みを作り上げているのだ。
ワーナーミュージック・ジャパンでのメジャー契約と怒涛のブレイク劇
大学院中退後、インディーズでの精力的な活動を経て、彼は大手レコード会社のワーナーミュージック・ジャパンと契約を結ぶ。前代未聞だったのは、indigo la Endとゲスの極み乙女の2バンド同時メジャーデビューという離れ業だ。
叙情的な美メロを聴かせるロックと、ラップやプログレを飲み込んだ高速ファンクポップ。両極端なスタイルを同一人物が手掛け、双方でヒットチャートを駆け上がる姿は音楽シーンに強烈なインパクトを与えた。大学中退というリスクを背負いながら磨き上げた楽曲群が一気に開花し、時代の寵児へと登りつめる瞬間だった。
ストリーミング時代の覇者へ:SpotifyやApple Musicで加速する世界的再評価
フィジカルからデジタルへと音楽の聴き方がシフトする中、SpotifyやApple Musicをはじめとする各種ストリーミングサービスにおいて、川谷絵音のカタログは圧倒的な再生数を記録し続けている。
緻密なプロダクションとテクニカルな演奏は、言語の壁を越えて海外のリスナーやプレイリスターをも魅了する。日本のシティポップやマスロックの文脈から彼の楽曲を発見し、そのハイレベルなアレンジに驚嘆する海外ファンも少なくない。アルゴリズムが支配するストリーミング環境において、イントロ数秒で惹きつける緻密なトラック構成は、極めて強力な武器として機能している。
マルチプロジェクトを牽引する制作哲学と現在地
小籔千豊やくっきー!(野性爆弾)らと結成したジェニーハイでのプロデュースワークをはじめ、数多くの著名アーティストへの楽曲提供など、彼の制作意欲は留まるところを知らない。映画音楽の劇伴からCMソングの制作まで、その守備範囲の広さは群を抜く。
かつて農工大の実験室で試行錯誤を繰り返していた青年は、いまやシーンのトレンドを意のままに操る稀代のサウンドアーキテクトとなった。大学時代に培った論理的探究心と、研ぎ澄まされたエモーショナルな感性。その2つが混ざり合う実験室から、次はどんな新しい音が生まれるのか。彼の歩みから目が離せない。 (出典: 川谷 絵 音 大学(Yahoo!ニュース))